心臓の構造と血管名の覚え方
まず心臓の構造は簡単に書くと図のようになります。
循環器というだけに、絶えず血液が循環しているので、どこが始まりだ、ということは言えませんが、とりあえず左心室から説明します。
左心室から全身へ酸素がたくさん入った血液が送られます。この血管が大動脈と言います。
各細胞へ酸素を運ぶので血管はだんだん細くなり、細胞に酸素を渡したのち、いらない二酸化炭素などを、戻りの血管に返してやります。この時点で血管は静脈と名前を変えます。
各細胞から帰ってきた静脈は大静脈に合流し、大静脈が心臓の右心房へ戻ってきます。
右心房は右心室へ血液を渡すだけ。この間にある弁が三尖弁(さんせんべん)です。
右心室からは肺に向かいます。その血管を肺動脈といいます。肺では呼吸をして酸素を取り込み二酸化炭素を排出します。
酸素をたくさん含んだ血液は肺静脈を通り、左心房に入ります。左心房は左心室に血液を渡すだけ。この間に僧帽弁(そうぼうべん)があります。
左心室に戻った血液は、また最初のように大動脈を介して酸素をたくさん含んだ血液を全身へ運びます。
私たちは知らない間に、これを繰り返しいるんですね。
この過程を覚えるポイントは、心臓から出ていく部屋は【室】、心臓へ戻る部屋は【房】で統一されていること、心臓から血液が出ていく血管を【動脈】、血液が心臓に戻ってくる血管を【静脈】と統一している所に着眼して下さい。肺動脈と肺静脈の部分は特に間違いやすいので、先に書いた覚え方をお勧めします。
これはsgsという管理栄養士講座の先生のパクりですが、【室】は【出】と読めば出ていく血管だと覚えられる。【房】は【戻】に似ているので戻ってくる血管は【房】だ。という単純明快な覚え方を教えてくれました。
この2つを合わせて覚えれば、心臓の構造は忘れないと思います。
一番効果的なのは、一連の流れを誰かに説明してみましょう。説明できれば覚えたということ。出来なければ、どこかの情報が不足しています。もう一度読み返して見ましょう。
ここまできて言うのもなんですが、これはかなり省略しています。平面で説明するには、心臓はあまりに複雑で、特に血管は一言で説明できません。大動脈にはたくさんの分岐があり、特に大事な冠状動脈があります。
それらを勉強するにはまず今までやった最低限の仕組みを覚えるところからはじめましょう。
心臓の病気なども、この構造がわかって初めて理解できると思います。是非マスターしましょう。