2012年 12月 07日 ( 1 )

アミノ基転移酵素の覚え方(ASTとALT)

アミノ酸+α-ケトグルタル酸→α-ケト酸+グルタミン酸

上記の式は、アミノ酸のアミノ基の窒素を、アミノ基転移酵素によってα-ケトグルタル酸に転移し、グルタミン酸を生じる式です。
代表的なアミノ酸が①アラニン、②アスパラギン酸、③グルタミン酸。代表的なケト酸が、1.ピルビン酸、2.オキサロ酢酸、3.α-ケトグルタル酸で、それぞれ①は1へ、②は2へ、③は3へ変換される、というのを前回紹介しました。



それでは今回はもうワンステップ。アミノ基転移酵素について勉強してみましょう。アミノ基転移酵素はその名の通り「アミノ基を転移させる酵素」です。

そこで、臨床栄養学でもよく紹介される代表的なアミノ基転移酵素を2つ紹介します。それが、ASTとALTです。(別名、ASTがGOT、ALTがGPT)この2つは最終的にグルタミン酸を生成させるのがポイントです。アミノ酸をエネルギーとして利用する際に、アミノ酸からアミノ基(NH2)をはずしますよね、糖新生です。このアミノ基からアンモニア(NH3)が作られ、尿素回路で無毒の尿素に変換するんでした。

ここで思い出してほしいのはエネルギー代謝図。
ケト酸はクエン酸回路上にあるから、その回路上であればどれにでも変化できます。つまり、ピルビン酸が回り回ってα-ケトグルタル酸にだってなれるし、オキサロ酢酸もα-ケトグルタル酸に変化できます。α-ケトグルタル酸にまで変化したら、そいつにアミノ基をくっつけてみましょう。するとあら不思議、グルタミン酸になっちゃっいました。このように、アミノ酸は自らのアミノ基をはずして他のケト酸と合体することにより新たなアミノ酸を作ることができるんです。(うーんとっても便利!)そのような変化を起こすためにASTやALTが必要なんですね。

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それではまず、ASTから説明します。簡単に言うと、ASTは「アスパラギン酸をグルタミン酸に変換する酵素」です。

アスパラギン酸のアミノ基をはずすと、オキサロ酢酸になりますね。このはずしたアミノ基をα-ケトグルタル酸にくっつけるんです。するとグルタミン酸の完成です。
要は「アスパラギン酸のアミノ基をはずして、α-ケトグルタル酸にくっつけたらグルタミン酸ができた。残ったケト酸がオキサロ酢酸だ」ということを表しています。
下の式はこれをまとめたものなんですが、決して左2つをたしたから、右の2つが出来たという単純なことではないんですね。だから理解しにくいんだと思います。

アスパラギン酸+α-ケトグルタル酸→オキサロ酢酸+グルタミン酸

※アスパラギン酸アミノ基転移酵素 (AST)(読み方:アスパラギン酸 アミノ トランスフェラーゼ)

これは、読んで字のごとく、「アスパラギン酸のアミノ基をトランスファー(移動)させる酵素」です。どこに転移させるのか?そう、α-ケトグルタル酸ですね。転移させてできたのがグルタミン酸です。そんでもってアスパラギン酸のアミノ基をはずした残りがオキサロ酢酸なんです。結果的にとっかえひっかえしたけど、何も無くなってないし、何も増えてませんね。ただ、アミノ基が移動しただけ。だからアミノ基転移酵素なんでしょうね。

どうでしょう。ただ読んでいるだけだとちょっと難しく思えるかもしれませんが、図と合わせて読み進めると「ピンとくる」かもしれません。

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次は、ALTです。ALTもやはり「アラニンをグルタミン酸に変換する酵素」です。
ASTと同じようなことを書くことになるので省略しますが、要は「アラニンのアミノ基をはずして、α-ケトグルタル酸にくっつけたらグルタミン酸ができた。残ったケト酸がピルビン酸だ」ということです。下記の式がそれを表しています。

アラニン+α-ケトグルタル酸→ピルビン酸+グルタミン酸

※アラニンアミノ基転移酵素(ALT)(読み方:アラニン アミノ トランスフェラーゼ)

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最後にAST・ALTは肝臓や心臓が悪いと値が高くなる、というのを目にしたことはありませんか?

そうなんです。これは肝臓や心臓の細胞に多く含まれていて、何らかの原因で細胞が壊れた場合にこの酵素が血液中に出てくると、数値が高くなるんです。

肝臓や心臓には特に多くこの酵素(AST・ALT)が含まれていて(心臓に多いのはAST、肝臓に多いのはALT)血液検査で肝疾患、心疾患を調べる一指標となります。この酵素がどんな働きを持つものか知っておくのは、とても良いことだと思たので追加してみました。


私も、完全にマスターしたわけではないので所々で専門家の方から言わせるとおかしい所があるかもしれません。疑問に思ったら別の資料を読んでみて下さい。あくまでも、勉強の手助けになればとの思いで投稿してみました。




☆☆☆☆☆☆ブ☆☆レ☆☆イ☆☆ク☆☆タ☆☆イ☆☆ム☆☆☆☆☆☆


ここまで勉強してみて、私がふと思ったことがあるんです。試験には関係ないのでここからは蛇足になります。(勉強には関係ないので…読む読まないはご自由に)

グルタミン酸って食品学で習う「旨み」ですよね。で、AST・ALTは肝臓に多く含まれている酵素。

イカの塩辛はイカの内臓(肝臓)を切り刻んで混ぜますよね。するとその肝臓の細胞からAST・ALTが出てきて、イカのたんぱく質(アミノ酸)を変身させます。何に?そう、グルタミン酸に。だから、塩辛は内臓を入れないと旨み(グルタミン酸)が出てこないし、作ってすぐはあまりおいしくない。一晩おくと、グルタミン酸がいっぱい生成されて旨くなるんではないかと、ふと思ってしまいました。絶対そうだー!!なんか、塩辛が食べたくなってしまいました。


試験勉強って、疲れますよね。たまには息抜きをしてリフレッシュすることをお勧めします。1日勉強しなくたってなんてことはありません。いかに切り替えて勉強することが大事。…かは、やっぱり合格してからでないと分からないのかもしれませんね。でも、楽しく勉強できたらこんなにすばらしいことはないと思います。なので、苦手=嫌いにならないように、これからも楽しいブログを更新していこうと思います。
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by inufukuken | 2012-12-07 22:53 | 基礎栄養学(17) | Comments(0)