2014年 03月 12日 ( 1 )

栄養補給法について(その1)

みなさんこんにちは。 管理栄養士国家試験まであと少しですね。 今回は、栄養補給法についてどんな問題が出ているか過去3年分くらいまでさかのぼって調べてみました。

補給法には、経口栄養法、経静脈栄養法、経腸栄養法と大きく分けて3つあります。(下図参照) 
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 問題を解いてみると、常識でわかる問題がけっこうあります。さすがに2択ぐらいにまで絞られると結構難しいですが、逆に言うと2択までは、なんとなく絞れると思います。(個人的な感想) 例えばこの問題、 


第27回-126 経口栄養法が適応できる患者である。正しいのはどれか。1 つ選べ。 
(1)JCS(Japan Coma Scale)が100 である。 
(2)嚥下が不可能である。 
(3)上部消化管に閉塞がある。 
(4)胆嚢が摘出されている。 
(5)小腸に穿孔がある。

 (2)(3)(5)は常識的に×で、残るは(1)か(4)です。JCSは意識障害をあらわす指標ですが、勉強していなければさっぱりです。(4)は「なんとなくそうじゃないかなぁ~」というぐらいで、○にすれば結果的に正解です。 

 では、次の問題です。 
第27回-127 経鼻胃管により経腸栄養剤を投与したときに生じた下痢の原因である。誤っているのはどれ か。1 つ選べ。 (1)乳糖を含むものを使用した。 
(2)浸透圧の低いものを使用した。 
(3)投与速度を400 ㎖/時とした。 
(4)投与時の温度を4℃とした。 
(5)前日に溶解したものを使用した。

 これはちょっと問題の意味が「意味不明」ですね。普通なら下痢の原因を問題にすべきなのに、「下痢の原因で誤っているもの」なんて、回りくどい!つまりは「下痢にならないのはどれか?」という事でしょう。 これも、常識的に(4)(5)は×でしょう。4℃じゃ冷たいし、前日に溶解したものは衛生的にダメでしょう。(1)は乳糖不耐症のことだなとわかれば×。あとは(2)と(3)で選ぶことになり、必然的に(2)が正解でしょう。 


さあ、どんどん行きましょう。

 第27回-128 静脈栄養補給法に関する記述である。正しいのはどれか。1 つ選べ。 
(1)末梢静脈栄養補給法で用いる輸液のアミノ酸濃度は、30%である。
(2)高カロリー輸液基本液には、鉄が含有されている。 
(3)成人では、非たんぱく質熱量/窒素比を700 ㎉/ℊとする。 
(4)中心静脈栄養補給法では、ブドウ糖濃度が20%の輸液を使用できる。 
(5)脂肪乳剤の投与は、1ℊ/㎏標準体重/時とする。

 この問題は難しいです。(5)が1時間の脂肪乳剤投与量が60㎏の人で60gなので、多すぎやしないかと感じ×。(1)は、末梢静脈に入れる輸液にしては30%は高すぎるし、である調の限定言葉なので×。これは感覚です。残る3つは分からなければどうにもならないでしょう。(2)は覚えるべきなのか分かりません。高カロリー輸液基本液には、鉄は含まれません。こうゆう輸液内で鉄は化学反応を起こしてしまうそうで、そのために微量元素製剤というものがあります。yahoo知恵袋では、患者さんへ投与する前に、高カロリー輸液基本液に、微量元素製剤を混ぜて利用すると書いていました。輸液に関してはまた後程紹介します。とりあえず(2)は×。(3)は非たんぱく質熱量/窒素比についてですが、通常成人であればこの値が150~200となるそうです。よって×。残る(4)が正解です。いきなり(4)を選べればいいんですが、普通は消去法で正解にたどり着くやり方が一番いいと思います。(3)の非たんぱく質熱量/窒素比はまた次回やってみます。 


ここまでで、微量元素製剤に入っている、ヨウ素I、鉄Fe、銅Cu、マンガンMn、亜鉛Znの5つをどうにか覚えられないか考えました。

I am 鉄道マン Z 
(私は、鉄道マンZです。)

I(ヨウ素) am 鉄 道(銅)マン(マンガン) Z(Zn)

関連性が持てないかもしれませんがインパクトで覚えられませんか?











 以下は、ここ2~3年の国家試験から抜粋した問題文です。左端に○×がありますので、問題の傾向を読み解く参考になればと思います。 



 経腸栄養
×1kcal/mL 濃度の経腸栄養剤100mL 中の水分含有量は、100mL である。 
×下痢を予防するためには、液状の経腸栄養剤の注入速度を速める。 
×成分栄養剤の窒素源成分は、ペプチドである。 
○1kcal/mL 濃度では、成分栄養剤の方が半消化態栄養剤よりも浸透圧は高い。
×非たんぱく質エネルギー/窒素比(NPC/N 比)は、脂質含有量の指標である。 
○PEG(percutaneous endoscopic gastrostomy)は、内視鏡的に胃瘻を造設する手術である。 
×胃瘻からの経腸栄養剤には、天然濃厚流動食は使用できない。 
×胃瘻造設により経口摂取が不可能となる。 
○在宅での胃瘻からの経腸栄養剤投与は、可能である。 
○空腸瘻からの成分栄養剤の投与は、持続注入とする。 
○誤嚥性肺炎を予防するためには、上半身を挙上して投与する。 
×4週間を超える長期経腸栄養の場合には、経鼻投与とする。
×半消化態経腸栄養剤は、投与開始時には2倍に希釈する。 
×経鼻経管法では、カテーテル先端を回腸に留置する。
×成分栄養剤の脂肪エネルギー比率は、20%である。 
×腸瘻による経腸栄養管理は、8週間を超えてはならない。 
×食道通過障害時には、使用できない。 
○肝不全用経腸栄養剤は、芳香族アミノ酸を少なくしている。
×乳糖を含むものを使用した。 
○浸透圧の低いものを使用した。 
×投与速度を400 ㎖/時とした。 
×投与時の温度を4℃とした。 
×前日に溶解したものを使用した。
○意識障害がある場合も、経腸栄養法が適用できる。
×経皮内視鏡的胃瘻造設術は、経静脈栄養に用いる。


 経口栄養
 ×JCS(Japan Coma Scale)が100 である。 
×嚥下が不可能である。
×上部消化管に閉塞がある。
○胆嚢が摘出されている。 
×小腸に穿孔がある。 
○軟食は、主食の形態による。
○流動食の目的の一つは、水分補給である。
○常食は、患者の年齢も考慮した食事である。
×特別食加算の貧血食は、溶血性貧血が対象である。 
○注腸造影検査食は、食物繊維を少なくした食事である。
×急性膵炎の急性期は、経口栄養にする。
×経口栄養は、経管栄養に比べて満足感を得にくい。
○飲食物による口腔内刺激は、消化液の分泌を亢進する。
×全粥食をブレンダー食(ミキサー食)にすると、エネルギー密度は高くなる。
×頻回食は、食物アレルギーの食事療法に用いられる。
×嚥下障害者には、酸味の強いものを与える。 
×経口摂取が不可能な場合、栄養素の補給はできない。

 経静脈栄養
×末梢静脈栄養補給法で用いる輸液のアミノ酸濃度は、30%である。 
×高カロリー輸液基本液には、鉄が含有されている。 
×成人では、非たんぱく質熱量/窒素比を700 ㎉/ℊとする。
○中心静脈栄養補給法では、ブドウ糖濃度が20%の輸液を使用できる。
×脂肪乳剤の投与は、1ℊ/㎏標準体重/時とする。 
×生理食塩水には、9mEq/ℓのNa+が含まれる。 
×成人のブドウ糖の投与速度は、10 ㎎/㎏体重/分とする。 
○高カロリー輸液基本液には、亜鉛が含まれる。 
×ビタミンB6 欠乏では、代謝性アシドーシスを発症する。
×脂肪乳剤は、末梢静脈から投与できない。 
○高カロリー輸液にはビタミンB1 を投与する。 
×わが国の高カロリー輸液(微量元素剤)は、クロムを含む 
○高カロリー輸液には窒素源に非必須アミノ酸(可欠アミノ酸)が含まれる。
×高カロリー輸液による大量のグルコース投与は、脂肪肝にならない。 
×経静脈栄養は、経腸栄養に比べて代謝上の合併症は少ない。
○経静脈栄養は、経腸栄養に比べてバクテリアトランスロケーションを起こしやすい。 
×経静脈栄養が1か月に及ぶ場合、末梢静脈栄養を選択する。



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by inufukuken | 2014-03-12 20:25 | 臨床栄養学(5) | Comments(0)