カテゴリ:人体の構造と機能(53)( 53 )

骨と骨疾患(第25回追試-47)

骨と骨疾患に関する記述である。正しいのはどれか。
 (1)骨芽細胞は、骨吸収をつかさどる。
 (2)骨の有機質成分の約90%は、オステオカルシンである。
 (3)カルシトニンは、骨吸収を促進する。
 (4)骨軟化症では、骨組織へのカルシウム沈着障害がみられる。
 (5)閉経後骨粗鬆症は、活性型ビタミンDの過剰が原因である。


骨疾患の勉強をし始めると、最初につまずくのが「骨吸収」という言葉。名前だけで想像すると、骨を吸収するんだから骨を形成するんじゃない?と思いがちです。ところがどっこい骨吸収とは、骨形成と正反対の役割(つまり骨を溶かす)があるんです。これがわかれば、あとはホルモンを一緒に覚えるだけです。

覚えるこつは「1つで覚えるのではなく、ペアで覚える」と忘れにくいです。
ここでは、次のように覚えるといいでしょう。


カルシトニン----------パラトルモン

骨形成----------------骨吸収

骨芽細胞-------------破骨細胞


つまり、カルシトニンは骨形成を促進。パラトルモンは骨吸収を促進。カルシトニンとパラトルモンは逆の働きをするもの。骨形成と骨吸収は意味が逆である。破骨細胞が骨を溶かし、骨芽細胞が骨を作る。いずれにせよここでのポイントは「骨吸収の意味」ですね。

では、(1)から、骨芽細胞は骨吸収ではなく、骨形成をつかさどる。
(2)を飛ばして、(3)カルシトニンは骨形成を促進する。ここまでは、良いでしょうか?

すると(2)と(4)と(5)が残ります。

さて、残りの(5)からいくと、閉経後に起きる骨粗鬆症の原因は「エストロゲンの分泌低下」があげられます。エストロゲンは、骨吸収を抑制する働きがあり、閉経するとそのエストロゲンが減るため、骨吸収を抑制できなくなりカルシウムがどんどん抜けていき、骨粗鬆症となる。ビタミンDは過剰はいけませんが、本来はカルシウムの吸収を助ける働きを持ちます。いずれにしても、少し的外れな文章です。

残り(2)と(4)ですが、私はここで迷いました。

でも、(2)の有機成分の90%はコラーゲンだというのはなんとなく想像が付く気がします。オステオカルシンという言葉自体、あんまり聞きなれないので「90%はないな」と考えました。

(4)は正文ですので、このまま覚えましょう!


正解4
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by inufukuken | 2012-01-21 20:44 | 人体の構造と機能(53) | Comments(0)

貧血(第25回追試-46)

貧血に関する記述である。正しいのはどれか。
 (1)鉄欠乏性貧血では、不飽和鉄結合能が低下している。
 (2)ビタミンB12欠乏による貧血は、胃全摘術後2~4か月で出現する。
 (3)葉酸欠乏による貧血は、小球性低色素性貧血である。
 (4)再生不良性貧血では、網赤血球(網状赤血球)数が低値を示す。
 (5)葉酸の吸収には、内因子(キャッスル内因子)が必要である。



最初、網赤血球なんて、聞いたことがありませんでした。

網赤血球とは、骨髄で作られたばかりの、成熟する前の赤血球のことです。再生不良性貧血は血液中の白血球、赤血球、血小板のすべてが減少する疾患です。つまり成熟する前の網赤血球も少ないから低値を示すんでしょうね。


貧血の問題で「不飽和鉄結合能」はよく出ます。おそらくそれは「貧血時は不飽和鉄結合能が低下していそうなイメージだから」でしょうね。ここで大事なのは不飽和鉄結合能の能です。つまり能力があるのかないのか?

女子栄養大学出版部管理栄養士国家試験受験必修キーワード集によると、不飽和鉄結合能とは「鉄を結合していないトランスフェリンを鉄の結合能力に換算したもの。」とあります。

血清中の鉄は、すべてトランスフェリンと結合しているそうで、不飽和鉄結合能とは、鉄と結合していないトランスフェリンの部分をいい、鉄欠乏状態では、トランスフェリンと結合する鉄の量が減るため、不飽和鉄結合能は上昇します。つまり、鉄欠乏性貧血では、鉄が少ないので、トランスフェリンと鉄が結合しようとする力(能力)が強まるんですね。

出題者は、勉強していない人が間違えやすいように問題を組み立てます。そこを逆手にとって、ひっかかりやすい所に重点をおいて覚えるのもいいかもしれませんね。

(2)は、5年後以降
(3)は、大球性正色素性
(5)は、葉酸ではなくビタミンB12
これらは知らないと解けないですが、いずれも頻出問題です。

(1)はさっきの鉄結合能について理解できればさほど難しくないはず。

残った(4)が正解となります。
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by inufukuken | 2012-01-21 14:23 | 人体の構造と機能(53) | Comments(0)

キャッスル内因子(第25回追試-35)

投稿の前に、今日で5,000アクセスを突破しました。
なかなか、投稿する機会がなかったにもかかわらずコツコツ積みあげて頂き今日にいたりました。これもひとえに皆さんのおかげです。感謝感謝です。


胃腺の壁細胞から分泌される物質である。正しいのはどれか。
 (1)内因子(キャッスル内因子)
 (2)ガストリン
 (3)セクレチン
 (4)ペプシノーゲン
 (5)粘液


女子栄養大学出版 管理栄養士国家試験受験必修キーワード集によると、「内因子」とは、ムコたんぱく質の一種。胃噴門部および胃底部から分泌される。ビタミンB12は内因子の存在のもとに回腸から吸収されるので、胃全摘患者ではビタミンB12の吸収不全による悪性貧血が起きる。


このキーワード集の解説でもわかるように、あからさまにキャッスル内因子が壁細胞から分泌されるとは書かれていませんでした。

これはやはり、消去法ですかね。


(2)ガストリンは胃の幽門部前庭部のG細胞から分泌されるので×。

(3)セクレチンは十二指腸粘液のS細胞から分泌なので除外。

(4)と(5)は以前に、紹介しているので誤りだと分かるはずです。

このことからも、(1)が正解に一番近いことがわかるのではないでしょうか?


私はいつも、ガストリンの(ガ)はG細胞のGA(ガ)だと思ってたので「なんだ、答えのってるじゃん」と思ってました。


正解1
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by inufukuken | 2012-01-19 23:58 | 人体の構造と機能(53) | Comments(0)

糖尿病の検査(25回追試-32)

糖尿病の検査に関する記述である。正しいのはどれか。
 (1)ヘモグロビンA1cは、過去1~2週間の血糖値の状態を示す。
 (2)1,5-アンドログルシトール(1,5-AG)は、血糖コントロールが悪いと血中濃度が低下する。
 (3)フルクトサミンは、過去1~2か月の血糖値の状態を示す。
 (4)空腹時の尿糖が陽性であれば、糖尿病と診断できる。
 (5)75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)において、2時間値が180mg/dL以上であれば、糖尿病と診断できる。



建帛社の臨床栄養管理ポケット辞典によると、1,5-アンドログルシトール(1,5-AG)は、「グルコースに似たポリオールで、グルコースに次いで血液中に多く含まれる糖である。食事摂取により供給され、腎糸球体で濾過、尿細管で再吸収される。尿中排泄と経口摂取が均衡するため毛中濃度はほぼ一定だが、糖尿病などで尿糖が増加すると尿中排泄が増加し、血中濃度は低下する。」とあります。



つまり、1,5-AGは血糖コントロールが悪い状態(高血糖)だと、尿中に排泄されやすくなり低値になるらしい。



これがわかっていれば、他で迷うことはないのですが、わからなかった場合の消去法で考えてみます。



(1)ヘモグロビンA1cは現在、糖尿病の診断基準※(6.1パーセント以上である場合)の1つですが、血糖状態は1~2ヶ月の血糖値の状態を示します。

私の覚え方は、A1cの1cを1ca(ローマ字読みで・・・いっか)げつと読むようにしてました。RTPたんぱく質の半減期でも紹介したように、覚えるときは○~○日の場合は、真ん中をとるか、覚えやすい方の片方で覚えると覚えやすいです。ですので、ヘモグロビンA1cは「1ヶ月」と覚えました。




(3)フルクトサミンは、私個人的には、あまり聞きなじみがなく、この問題をといた時はピンときませんでした。せっかくなので、ここで覚えることとして、覚え方を考えました。

フルクトサミン→(フルクトサ MI ン)→ MI → これをひっくりかえすと、 1W に見えませんか?

つまり 1WEEK(1週間)です。フルクトサミンは「過去1~2週間の血糖値の状態を示す」そうです。

無理やりですが、なんとか覚えました。言葉の中に、答えを探したり、もう1つと一緒に覚えるとと忘れにくいですよ!今回は、ヘモグロビンA1cと一緒に覚えて、1ヶ月と1週間のどちらかを忘れなければ、きちんと記憶に残ると思います。さぁノートに書き出しておきましょう!



(4)も(5)も診断基準を勉強した人なら、ひと目で間違いだと気づくでしょう。糖尿病と診断するには、最低2回は検査をしなくてはならないはずです。


これで、(2)がわからなくても答えを導き出せるのではないでしょうか?



私の場合、(2)は、「血糖コントロールが悪い状態」としか書いていないので、「血糖値が非常に低いときもこの状態に当てはまるのではないか」と考えました。言っていることはおかしくないですよね?そうとらえられてもしかたがないのではないでしょうか。こういう問題は、はっきり「血糖値が通常より高い」とか「血糖コントロールが悪い高値の」とか、きちんと高値であることを記述してほしいものです。特に、これを解答として選択しなければならない問題なんですからなおさらですよね。問題作成者に文句を言いたい気分でした。



正解2

※糖尿病の診断基準は2010年7月に改定になっています。コチラでご確認ください。
http://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/39096/Default.aspx
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by inufukuken | 2012-01-17 22:30 | 人体の構造と機能(53) | Comments(0)

ケト原性アミノ酸

ケト原性アミノ酸とは、体たんぱく質を構成するアミノ酸が脱アミノされ、残った炭素骨格からケトン体が生成されるアミノ酸のこと。

その辺は、ともかくとしてロイシン、イソロイシン、リジン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファンがこれにあたるそうです。それ以外のアミノ酸は糖原性アミノ酸になります。問題では特に、「○○はケト原性アミノ酸である。」というような直球問題がよく出ていたと思うので、とりあえずケト原性アミノ酸の覚え方を考えました。

フトッチョイケドロリ(太っちょいけどロリ)

フ→フェニルアラニン
ト→トリプトファン
チョ→チロシン
イ→イソロイシン
ケド→ケト原性
ロ→ロイシン
リ→リジン

太っちょだけど、ロリータの人を想像して見てください。
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by inufukuken | 2012-01-16 21:22 | 人体の構造と機能(53) | Comments(0)

代謝とその調節(第25回追試-24)

代謝とその調節に関する記述である。正しいのはどれか。
 (1)グルカゴンは、糖新生を抑制する。
 (2)トリヨードチロニン(T3)は、核内受容体に結合する。
 (3)フィブリンは、プロトロンビンをトロンビンに変換する。
 (4)レニンはアンギオテンシンⅠをアンギオテンシンⅡに変換する。
 (5)ピルビン酸脱水素酵素は、フルクトース6‐リン酸によるフィードバック制御を受ける。


この問題は正解を知っていれば簡単だけど、(1)~(5)まで聞いていることがバラバラなので難しい問題だと思います。

まず、(1)は糖新生に関する問題でグルカゴンが糖新生を抑制するのか、促進するのかを聞いています。ここでいう糖新生とはグリコーゲンを分解してグルコースを生成することをいいます。知っていなければならないのはグルカゴンとインスリンの関係でこの二つは相反するもの。インスリンが血糖値を下げる。グルカゴンが血糖値を上げる。この二つで血糖値を調節しているんですが、グリコーゲンを分解することによってグルコースを生成するんだから、グルカゴンは糖新生を促進している。逆に、インスリンは血糖値を下げるんだからグリコーゲンを分解するんではなく合成する。2つを一緒に覚えることが重要です。そうすることによって片方を忘れても、もう片方から答えを導き出せるんです。簡単な所から関連付けて覚えましょう!

①インスリンが血糖値を下げる→②ということはグルカゴンが血糖値を上げる→③血糖値が上がるということは血中にブドウ糖が増える→④ブドウ糖が増えるということは糖新生が促進されているということ→⑤つまりグルカゴンが糖新生を促進する→⑥ということはインスリンが糖新生を抑制する





(2)はホルモンの作用機序と受容体(レセプター)との結合場所を問う問題。覚えておかなければならないのは①甲状腺ホルモンが核内受容体と結合する。②ステロイドホルモンは細胞内の受容体と結合する。③ペプチドホルモンは生体膜の受容体と結合する。この3種類です。
①甲状腺ホルモンの代表はサイロキシンとトリヨードサイロニン。②はエストロゲンやテストステロンなどの性ホルモン。コルチゾールやアルドステロンなどの副腎皮質ホルモンなど。③はその他のホルモンです。種類がたくさんあるので、私は①と②を覚えてそれ以外がぺプチドホルモンと覚えいます。その他にも例外はありますが、大きく分けてこの3つを覚えましょう。また、ここではペプチドホルモンが作用するまでに出てくる「アデニレートサイクラーゼ」「Gたんぱく質」「cAMP(サイクリックAMP)」「セカンドメッセンジャー」という単語がよく問題に出ます。教科書で確認しておきましょう。







(3)は血液凝固の機序を覚えなければなりません。以下の図を参照下さい。

        
          トロンボプラスチン
              ↓
 ①プロトロンビン→→→→→ ②トロンビン(たんぱく質分解酵素)
                     ↓
   ③フィブリノーゲン →→→→→→ ④フィブリン→→→ ⑤血液凝固


※「フィブリノーゲン」は血液凝固に関与する物質で「トロンビン」の作用によって「フィブリン」となり血液凝固する。「トロンビン」はもともとは「プロトロンビン」で、「トロンボプラスチン」により活性化され「トロンビン」となる。
「プロトロンビン」のプロとはproceed(前駆体)という意味で、「フィブリノーゲン」のノーゲンも同じ意味です。プロがとれて「トロンビン」。ノーゲンがとれて「フィブリン」。そうやって見ると、難しくないですよね。

問題に戻りますが「フィブリンは、プロトロンビンをトロンビンに変換する」
上の図を見れば一目瞭然。「プロトロンビン」を「トロンビン」に変換するのは「トロンボプラスチン」です。

私の血液凝固の機序の覚え方は、まず、「フィブリン」別名を血餅(けっぺい)といいますが、この「フィブリン」が最終生成物だということを覚えます。次に「フィブリノーゲン」。これは「フィブリン」の前駆体ですから(ノーゲンが付いているのが最初)簡単に覚えられます。次に、「フィブリノーゲン」を「フィブリン」にする酵素が「トロンビン」です。そして「トロンビン」の前駆体がその名の通り「プロトロンビン」です。最後は「プロトロンビン」を「トロンビン」に変換する酵素が「トロンボプラスチン」です。この5つの言葉を覚えれば血液凝固は完璧です。あと覚えるとすれば血液凝固に関わる物質として、「Ca」と「ビタミンK」です。

 



(4)は血圧調節の機序を問題にしています。この問題は頻出問題です。絶対に出るといっても過言ではないと思います。まず下記のページのレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系の図をご覧ください。
http://merckmanual.jp/mmhe2j/sec03/ch022/ch022a.html
こういうのは図を描いて覚えるのが手っ取り早いです。アンジオテンシンⅠをⅡに変換するのはACEというアンジオテンシン変換酵素です。ちなみにアンジオテンシノーゲンをアンジオテンシンⅠに変換するのがレニンですね。この図は非常に大事ですのでノートがあったら必ず書いておくことをお勧めします。


(5)はパッと見あまりよくわかりませんでした。ただ、ピルビン酸脱水素酵素は、ピルビン酸からアセチルCoAを作るときに必要な酵素なので、フィードバック制御(もう作るな)を受けるとすればアセチルCoAのことかな?と思えればほぼ合格点のようです。



このようにすべての問いに答えるとまぁー長くなります。これを1分30秒で解けなんて無理ですよね。やはり確実に違うものをどれだけ早く見つけられるかがポイントとなってきます。

あとは2択まで持ち込めれば合格でないでしょうか。

点数アップを考えるなら答えを直すだけでは伸びませんよ。ひとつずつ丁寧に解いていきましょう。
 
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by inufukuken | 2011-10-21 22:45 | 人体の構造と機能(53) | Comments(0)

セントラルドグマとたんぱく質の合成

セントラルドグマとは、遺伝情報がDNA→RNA→たんぱく質の方向へ伝えられることです。(現在ではレトロウィルスのようにこの方向に逆らう逆転写酵素なるものもあることがわかり、例外として認識されています。)

基本の伝達方向はDNA→RNA→たんぱく質です。

ここでは、DNAとRNAによるたんぱく質合成がどのように行われているかを簡単に説明してみようと思います。


とりあえず試験では、

①RNAポリメラーゼ(転写を行う酵素)
②プロモーター領域
③mRNA(メッセンジャーRNA)
④エキソン・イントロン
⑤スプライシング
⑥コドン・アンチコドン・開始コドン・終止コドン
⑦rRNA(リボソームRNA)
⑧tRNA(トランスファーRNA)
⑨ヒストン
⑩転写・翻訳・セントラルドグマ

このぐらいの用語がわかっていれば解けると思います。(プラス以前紹介した相補的塩基対は必須です!)



それでは順を追って①~⑩の用語を使ってたんぱく質の生合成を説明してみます。教科書で勉強したことがある人なら、なるほどとうなずいてもらえるのではないかと思います。図を片手に読んで見て下さい。ただ、たんぱく質の合成といってもピンとこないと思うので具体的な例をあげてみます。



レニン・アンギオテンシン-アルドステロン系という血圧調節の機序を勉強した時に肝臓で合成される「アンギオテンシノーゲン」という血しょうたんぱく質をご存じでしょうか?これは452個のアミノ酸から形成されるペプチド(一般的にはアミノ酸数50以上のものをタンパク質と呼ぶことが多い)で、レニンの作用により特定の部位のペプチド結合が切断されて10個のアミノ酸からなるアンギオテンシンⅠを生成する。このあとさらにアンギオテンシンⅡを生成→アルドステロン分泌促進→血圧上昇という経路をたどります。ここで紹介したいのは452個のアミノ酸から形成されるペプチド(一般的にはアミノ酸数50以上のものをタンパク質と呼ぶことが多い)「アンギオテンシノーゲン」です。このアンギオテンシノーゲンを肝臓が合成する、つまり肝細胞が合成するということ。ようやく本題に戻りました。肝細胞で合成されるたんぱく質アンギオテンシノーゲンがどのように合成されるかをこれから紹介します。何か例えがないと具体的にイメージできない私が思いついた解決策です。



1.(肝)細胞の核内にあるDNAはヒストン(構造たんぱく質)などに巻きついた構造で、さらにそれが折りたたまれた状態で存在する。



2.DNAにはありとあらゆる情報(設計図)が書き込まれているが、特定のたんぱく質を形成するのに必要な部分(プロモーター領域)はごく一部で、そこをちょこっとコピー(転写)させてもらいたい。(要はアンギオテンシノーゲンを作るための設計図を転写するということ)



3.そこで登場するのがRNAポリメラーゼ(酵素)で、転写(コピー)が必要な部分のDNA2重らせん構造を一次的に切り離す役割を持つ。ここでいう転写(コピー)とは同じものではなく、対になるもの。つまり、相補的塩基対の事で「AならU」「CならG」をいう。もう少し正確に言うと、DNA側がAアデニンならmRNA側はUウラシル、DNA側がCシトシンならmRNA側はGグアニンという感じ。たいやき(DNA)を作るために、たいやきのタネを流し込む鋳型(RNA)を作るイメージです。例えて言うなら、AGCTACCAGGというDNA塩基配列を転写したmRNAの塩基配列はUCGAUGGUCCとなります。




4.一次的に切り離されたDNAにmRNAが取り付き、すかさず転写する。ここではまだmRNAは成熟しておらず、mRNAの前駆体というあたり。



5.未熟なmRNAを成熟させるためには不要な部分(イントロン)を除去し、必要な部分(エキソン)のみを残す「スプライシング」という過程を経なければならない。



6.エキソンだけをつなぎ合わせたものが成熟したmRNAとなり、核外へ出て行く。



7.mRNAはAUCGからなる4種類の塩基で配列されており、塩基3つを1つの単位としてコドンと呼ぶ。コドンはそれぞれアミノ酸を示す設計図である。



8.ただし、設計図だけあってもたんぱく質は合成できないので、細胞内にうじゃうじゃある特定のアミノ酸を誰かに運んできてもらわなければならない。



9.そこで登場するのがtRNA。(tとはトランスファーつまり運搬するという意味)(tRNAと特定のアミノ酸はセットで、64種類くらいある。)ただ持ってくるだけでは芸がない。tRNAにはコドンと逆の塩基配列(アンチコドン)を持たせることで、逆の逆、つまり本来のDNAと同じ塩基配列を並べることができる。mRNAつまり、たいやきの鋳型を使って本物のたいやき(DNAの塩基配列)を作るイメージ。ただし、このtRNAの塩基配列自体がたんぱく質を形成するのではなく、この塩基配列を参考にアミノ酸が整列してたんぱく質を合成する。コドンがオスならアンチコドンはメスとなる。mRNAのコドンとそれに対応するtRNAのアンチコドンがDNAのように2列に並んでいくと、tRNAが連れてきたそれぞれのアミノ酸がお互いにぺプチド結合していきたんぱく質が出来上がる。これを翻訳という。



10.成熟したmRNAは核外にでると、頭とお尻をくっつけて円状になる。それから翻訳に取り掛かるわけだが、翻訳の過程には、始まるきっかけをつかさどる開始コドン1つと、終わりを示す終止コドンが3つある。開始コドンの塩基配列(AUG)が示すアミノ酸の代表がメチオニンである。一方、終止コドンは、それを指定するアミノ酸がない。試験では「終止コドンはアミノ酸を指定しない。」という文があったが、指定しないとは、指定するアミノ酸がないことを意味するらしい。終止コドンはたんぱく質の生合成を停止させるためだけにあるコドンである。




11.rRNA(rはリボソーム)はこれらたんぱく質合成の場所になる。それだけ。



12.この一連の工程(過程)をセントラルドグマという。




まとめとして、本来欲しい塩基配列を粘土に押し付けて型を取る(転写)。この型はいわゆる鋳型です。この鋳型をもとに本来の塩基配列を形成し、その塩基配列をもとにアミノ酸が並ぶ(翻訳)。すると、アミノ酸同士がペプチド結合していき、最終的に出来上がったものがたんぱく質となる。



いかがでしたか?最終的に合成されるたんぱく質がアンギオテンシノーゲンだったという過程で説明してみました。たんぱく質の合成というあいまいな表題から、具体的にこのたんぱく質(アンギオテンシノーゲン)を合成する。と言った方がイメージしやすいのではないでしょうか?ちなみにこのアンギオテンシノーゲンは肝臓(肝細胞)で合成された後、血液中に放出されて最初に説明したように、レニンによりアンギオテンシンⅠを生成する材料となるのです。作ったらどう使われるかまでを説明してくれる教科書が見つけられなかったので自分で解決してみました。



youtubeでセントラルドグマと検索すると10分くらいのムービーが見られます。とってもわかりやすので是非見てみてください!
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by inufukuken | 2011-09-27 00:00 | 人体の構造と機能(53) | Comments(0)

腫瘍マーカー

腫瘍マーカーとは、がん細胞が産生する物質で、がんの有無の目安となるもの、そのためがんの検査に用いられる。健常者のがんの早期発見というよりは、がんに罹患しやすいハイリスク患者に使われる。

主なものに        CEA 消化器がん
        AFP 肝臓がん
        PSA 前立腺がん


とくに、AFPはα-フェトプロテインともいい腫瘍マーカーでは有名です。
PSAも健康診断の項目(特に中年男性)で見かけることがあります。

まずはPSAから

これはピザ(PSA)の出前(立腺)

つまり、PSAときたらピザの出前を思い出して出前の「前」から前立腺を思い出してください。




つぎに、AFP

これはがよくみると「」の字に見えてきます。
AF→月干→肝
ほらね

AFPときたら、答えが書いてあると思えばOKです。

最後にCEA。これは消化管全般なので、特定の部位ではありません。とりあえず、CEAの「C」の字が、腸の形を現しているように見えたので腸を含む消化器全般となりました。クルンとしてますよね。
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by inufukuken | 2011-09-26 22:58 | 人体の構造と機能(53) | Comments(0)

プリン塩基とピリミジン塩基

核酸 (DNA, RNA) を構成する塩基成分には、主なものにアデニン、グアニン、シトシン、チミン、ウラシルがあり、それぞれ A, G, C, T, U と略す。構造の骨格からプリン塩基 (A, G) とピリミジン塩基 (C, T, U) とに分けられる。と、ここまでは教科書に載っている部分。

今回は、プリン塩基(AとG)とピリミジン塩基(CとTとU)の覚え方を紹介します。

ズバリ、
CTU(シチュー)をピリみじん切りにする。

シチューをみじん切りにするイメージをすると忘れません。やってみたことはありませんが(笑)

シチューとは
C T U を私なりにローマ字読みしたところこうなりました。

そんなローマ字読みはない!という抗議文は受け付けませんのであしからず。

これでピリミジン塩基が覚えられれば、プリン塩基は残りの2つだということです。以上
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by inufukuken | 2011-09-25 04:44 | 人体の構造と機能(53) | Comments(0)

相補的塩基対の覚え方

核酸 (DNA, RNA) を構成する塩基成分には、主なものにアデニン、グアニン、シトシン、チミン、ウラシルがあり、それぞれ A, G, C, T, U と略す。構造の骨格からプリン塩基 (A, G) とピリミジン塩基 (C, T, U) とに分けられる。と、ここまでは教科書に載っている部分。



DNAの場合、AとT CとG が水素結合する。いわゆる相補的塩基対の形成ですね。

この組合せをどう覚えるかですが、

アルファベット順に並べて、1から4の番号をつけます

するとA=1 C=2 G=3 T=4 となります。

この4つのうちで足してになるのが相補的塩基対です。つまり、

AとT 1+4=5
CとG 2+3=5


数字の大きさが長さだと仮定するとわかりやすいです。2重らせん構造のDNAにハシゴをかけている部分がこれらの塩基成分ですから、長さが均等でないといけないですよね。ただ、あくまで覚え方として使ってください。

RNAでは、チミン(T)の代りにウラシル(U)が使われますが、やり方は同じです。



最後に、試験では相補的塩基対の組合せを問うものがあったと思います。この時、イジワル問題で、「アデニンの相補的塩基対はグリシンである。」というのがありました。

皆さんお気づきですか?ひょっとすると、私も間違えるところでした。グリシンではなくグアニン (2017.9.25訂正)チミンですよ!

このように、きちんと単語を覚えておかないとこんな問題が出たとき後悔しますから、気をつけてくださいね!
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by inufukuken | 2011-09-24 04:42 | 人体の構造と機能(53) | Comments(0)