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ゴロで覚える管理栄養士国家試験

脳死の判定基準の覚え方

心臓死の判定基準は「死の3徴候」と言われる次の3つです。
・心拍動の停止
・呼吸運動の停止
・瞳孔反射の消失あるいは瞳孔の散大(以下、瞳孔散大と省略)

一方、脳死の判定基準は
①呼吸運動の停止
②瞳孔散大
③深昏睡
④平坦な脳波
⑤急激な血圧低下とそれに続く低血圧
⑥これらがそろった時点から6時間後にも、継続的にこれらの条件を満たすこと

という、心臓死の判定①②を含めた6つの条件を全て満たす必要があります。

心臓死の3つの判定基準はそれほど難しくないと思います。映画やドラマで、患者さんが亡くなる時に医者が行っている動作を思い浮かべてみて下さい。呼吸が止まる(呼吸運動の停止)心電図のモニターに波形が無くなる(心拍動の停止)、目を開いてライトを当てる(対光反射の消失)。これはよく見ます。

問題は脳死の方です。脳死は心臓死の心拍動の停止以外の2つと、その他4つの条件があります。そこでこれら脳死判定基準6項目を一気に覚えるゴロを作りました。覚えるインパクトが大事なので、不謹慎だと思われたらすみません。

父さん、事故で脳死。新婚決定を堪能できないなんてむごい。

①父さん→瞳孔散大
②事故→自発呼吸の停止
で脳死
③新婚→深昏睡
④決定→血圧低下
⑤堪能→平たんのう波→平坦な脳波
できないなんて
⑥むごい→6ごい→6時間後にも継続的に全ての条件を満たす


「脳死」の前にある2つは、心臓死の条件でもあるので分けて覚えられるようにしました。

ゴロだけ覚えても、キーワードしか出てこないので、キーワードが出てきたら条件が言える程度には内容を覚えておきたいですね。


参考書籍:2011年版UーCANの管理栄養士速習レッスン


















内分泌ホルモンの情報伝達

いつも質問していただく「あんさん」からこんな質問がありました。


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情報伝達のcAMPやGタンパク質は細胞外からのホルモン?を受容体を介して細胞内に取り込む?のでしょうか?細胞内に物質を活性化させると理解すれば良いのでしょうか?
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皆さんの中でも、この辺をどう覚えればいいか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。ここからは、管理栄養士国家試験を勉強する上で、効率よく覚える方法を私なりに考えて書いたものです。その辺をふまえて読んでいただければ幸いです。
リンクを参考にされるのも、こちらでは責任を持てませんので御了承下さいね。



まず、ホルモンには種類があるので何ホルモンかによって、答えが変わってきます。おそらく、ペプチドホルモンの ことだと思いますので、解説すると「Gタンパク質」はホルモンの情報を細胞内に伝達する「電話」のような役割を担ってまして、ホルモンの情報を細胞内の「メッセンジャー」に伝えます。そのメッセンジャーがcAMPです。なので、受容体を介して細胞内に取り込むのは、ホルモンからの情報だけで、ホルモンそのもの自体は細胞内に取り込めません。


下記に、この分野を要約しておきましたので参考にして下さい。

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まずは、ホルモンの基礎を覚えましょう。

ホルモンの種類は大きく分けて
①ペプチドホルモン
②ステロイドホルモン
③そのどちらにも属さないホルモン

ホルモンの受容体の場所は大きく分けて
①細胞膜上(ホルモンが細胞内に入れない)
②細胞内(ホルモンが直接細胞内に入る)


このサイトからもわかるように、
http://www.geocities.jp/aoshima83/study_room_physiology_internal_secretion.htm

ペプチドホルモンは、細胞膜上の受容体にくっつき、Gたんぱく質を介してATPをcAMP(サイクリックAMP)に変換させます。変換させる酵素がアデニレートシクラーゼです。このcAMPがホルモンの替わりの役目を果たすので、セカンドメッセンジャーと呼ばれています。(ちなみにホルモンはファーストメッセンジャーです)



このサイトは、ホルモンを分類してくれているので分かりやすいと思います。
https://www.kango-roo.com/sn/k/view/1709
http://nakajima-bonesetter.com/blog/post-3671


ペプチドホルモンは細胞内に入れません。ステロイドホルモンは細胞内に入れます。アミン型には両方あります。
基本、水溶性なら入れない。脂溶性なら入れると覚えましょう。

名前と種類を覚えるなら、ステロイドホルモンとアミン型のホルモン(アドレナリン、ノルアドレナリン、サイロキシン)を覚えて、それ以外はペプチ ドと覚えましょう。はっきりいって、ほとんどペプチドですから!



過去問をさがしたら、前回と前々回に似たような問題が出ていました。解説は引っ張ってきましたのでリンクをご覧ください。


29-28 情報伝達に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選 べ。
(1)副交感神経終末の伝達物質は、ノルアドレナリンである。
(2)インスリン受容体は、細胞膜を7回貫 通する構造をもつ。
(3)グルカゴン受容体刺激は、肝細胞内でcGMP (サイクリックGMP)を生成する。
(4)細胞内カルシウムイオン濃度の低下は、筋細胞を収縮させる。
(5)ステロイドホルモンは、遺伝子の転写を調節する。


解説サイトhttp://diet2005.exblog.jp/23545069/



28-28  情報伝達に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1) 交感神経終末の伝達物質は、アセチルコリンである。
(2) 肝細胞のグルカゴン受容体刺激は、グリコーゲン合成を促進する。
(3) アドレナリン受容体は、核内受容体である。
(4) cAMP(サイクリックAMP)は、セカンドメッセンジャーである。
(5) インスリンは、肝細胞のグルコース輸送体(GLUT2)に作用する。

解説サイト http://diet2005.exblog.jp/22737389/


まず、こんなもんでしょう。ホルモンは、種類もさることながら出る場所や作用についてもよく出題されます。逆に、その辺のほうが重要だったり します。今回の回答はあくまで、ホルモンの情報伝達についてまとめたものですので、ここが理解できたら次は出る場所や、作用についてもまとめてみて下さい。



甲状腺ホルモンの覚え方

わたしは高校1年生!さんからゴロ依頼がありましたので、久々にちょっと作ってみました。

依頼内容は、こんな感じです。
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ブログ読ませていただきました。

パラトルモンの説明わかりやすくて助かりました!

要望なんですが、甲状腺、チロキシン、物質の代謝を抑制。このセットをパラトルモンのような感じで覚えるにはどんないい方法がありますか。
よろしければ、考えていただきたいです。よろしくお願いします!

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ゴロはこんな感じです。

「チキンな校長、ビビって退社できない!」


チキン=チロキシン
校長=甲状腺
退社=代謝
できない=抑制



自分の周りにいる校長先生が太っていれば文句なしです。代謝が抑制されれば太りますよね?そんなチキンな校長先生を想像して、何かにビビって学校から帰れない所を頭の中で想像しましょう。さらに名前が橋本なら完璧です。甲状腺ホルモンの分泌抑制で橋本病を一緒に覚えちゃいましょう。



ちなみに、チロキシン(サイロキシン)は代謝に関わるホルモンで、出過ぎると代謝が促進(バセドウ病)、出ないと代謝が抑制(橋本病)されます。
ですので、代謝抑制だけではないというのは覚えておいて下さいね。





グリコーゲンの代謝について(第29回-問82)



先日、こんな質問を頂きましたので国家試験の問題とからめてお答えしたいと思います。


~あんさんからの質問~
「グリコーゲンの分解は筋グリコーゲンは解糖系に進み、肝グリコーゲンは血中に流れる…であっていますか?」


私は、専門家ではないので、教科書や参考書で私が勉強した範囲でわかることを書きたいと思います。
グリコーゲンには肝臓に貯蔵される肝臓グリコーゲンと、筋肉に貯蔵される筋肉グリコーゲンがあります。
筋肉グリコーゲンはグルコースに変換できないため解糖系に進み筋肉を動かすエネルギーとしてしか利用できません。
しかし、肝臓グリコーゲンはグリコーゲンをグルコースに変換することができるため、血糖維持ができます。
なぜグルコースに変換できるかというと、肝臓には「グルコース-6-ホスファターゼ」という「グルコース-6-リン酸」を「グルコース」に変換す る酵素があるからです。逆にいうと、筋肉にはこの酵素がないからグルコースに変換できないのです。正確には「肝臓グリコーゲンが血中に流れる」のではなく、「肝臓グリコーゲンから作られたグルコースが血中に流れる」のです。
さて、解説ばかりでもつまらないでしょうから実際に今年の問題文を見てみましょう。



第29回-問82 血糖の調節に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)筋肉グリコーゲンは、分解されて血中グルコースになる。
(2)脂肪酸は、グルコースの合成材料になる。
(3)乳酸は、グルコースの合成材料になる。
(4)グルカゴンは、血糖値を低下させる。
(5)インスリンは、血中グルコースの脂肪組織への取り込みを抑制する。



(1) が、そのものずばりだということがわかると思います。これで誤りが1ヶ所わかりましたね。(1)を正文にするには「筋肉グリコーゲン」を「肝臓グリコーゲン」に直せば良いのです。ちなみに、(4)(5)で出てくるグルカゴンやインスリンは血糖維持に重要な役割をするホルモンです。インスリンは聞いたことがあると思います。体内で唯一血糖を下げてくれるホルモンですよね。グルカゴンは逆に血糖を上げるホルモンです。血糖上昇ホルモンは他にもいくつかあります。グルカゴンは肝臓グリコーゲンを分解してグルコーズを生成させるホルモンです。この際ですので覚えておきましょう。よって(4)は×。(5)も×となります。なぜでしょう?脂肪組織へ血中のグルコースを取り込むとどうなるでしょう。血糖値は下がりますね。つまり「インスリンは血中グルコースの脂肪組織への取り込みを促進する」が正しいんです。ゴールが見えてきました。残り(2)か(3)です。(2)は知らなければわからない問題です。脂肪酸というのは、脂肪を分解すると出来るもので、グルコースの合成材料にはなりません。これは覚えるしかないです。ちなみに脂肪を分解すると、3つの脂肪酸とグリセロールに分解できます。このグリセロールはグルコースの合成材料になります。 これで残るのが(3)となるので、正解は(3)です。乳酸がグルコースに変換される経路(糖新生)をコリ回路といいます。ちょっと調べてみて下さい。なかなか重要な部分ですよ。



どうですか?1問解くのにこれ だけのものが必要となります。 「5つから1つを選べばいいや」ではなかなか正解にはたどり着けません。ブログでもお話 していますが、5択を解くには 1つでも間違いを見つけて消していく「消去法」が私の中では一番の正攻法です。


第30回管理栄養士国家試験の試験日が決定しました



もうご存知の方も多いかと思いますが、第30回管理栄養士国家試験が来年の3月20日(日曜日)に決定しました。

受験に関する書類は、平成28年1月8日(金曜日)から1月15日(金曜日)までに提出することになっています。1週間しかありませんので、忘れないように気を付けましょう。

詳細は下記にリンクしました。
http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/kanrieiyoushi/

試験まであと128日、ということは4ヶ月と少しですね。気合を入れて頑張りましょう!!