骨と骨疾患(第25回追試-47)
(1)骨芽細胞は、骨吸収をつかさどる。
(2)骨の有機質成分の約90%は、オステオカルシンである。
(3)カルシトニンは、骨吸収を促進する。
(4)骨軟化症では、骨組織へのカルシウム沈着障害がみられる。
(5)閉経後骨粗鬆症は、活性型ビタミンDの過剰が原因である。
骨疾患の勉強をし始めると、最初につまずくのが「骨吸収」という言葉。名前だけで想像すると、骨を吸収するんだから骨を形成するんじゃない?と思いがちです。ところがどっこい骨吸収とは、骨形成と正反対の役割(つまり骨を溶かす)があるんです。これがわかれば、あとはホルモンを一緒に覚えるだけです。
覚えるこつは「1つで覚えるのではなく、ペアで覚える」と忘れにくいです。
ここでは、次のように覚えるといいでしょう。
カルシトニン----------パラトルモン
骨形成----------------骨吸収
骨芽細胞-------------破骨細胞
つまり、カルシトニンは骨形成を促進。パラトルモンは骨吸収を促進。カルシトニンとパラトルモンは逆の働きをするもの。骨形成と骨吸収は意味が逆である。破骨細胞が骨を溶かし、骨芽細胞が骨を作る。いずれにせよここでのポイントは「骨吸収の意味」ですね。
では、(1)から、骨芽細胞は骨吸収ではなく、骨形成をつかさどる。
(2)を飛ばして、(3)カルシトニンは骨形成を促進する。ここまでは、良いでしょうか?
すると(2)と(4)と(5)が残ります。
さて、残りの(5)からいくと、閉経後に起きる骨粗鬆症の原因は「エストロゲンの分泌低下」があげられます。エストロゲンは、骨吸収を抑制する働きがあり、閉経するとそのエストロゲンが減るため、骨吸収を抑制できなくなりカルシウムがどんどん抜けていき、骨粗鬆症となる。ビタミンDは過剰はいけませんが、本来はカルシウムの吸収を助ける働きを持ちます。いずれにしても、少し的外れな文章です。
残り(2)と(4)ですが、私はここで迷いました。
でも、(2)の有機成分の90%はコラーゲンだというのはなんとなく想像が付く気がします。オステオカルシンという言葉自体、あんまり聞きなれないので「90%はないな」と考えました。
(4)は正文ですので、このまま覚えましょう!
正解4